なぜ、教師に対して怒りの気持ちが湧くの?公認心理師が原因を解説 【その1】

fami

みなさんこんにちは!公認心理師教師のシマハチです。

シマハチには時々、こんな相談が寄せられます。

子どもの学校の先生と、なんか合わないんですよね・・・。

みなさんはどうでしょう?

子どもの学校の先生とは上手くいっていますか?

子どもの話を聞いてくれないんです。

子どもになんか冷たいんです。

すぐ怒るらしいんです。

学校の先生に対するこんな言葉って、本当によく聞きますよね。

しかもこのようなことを話している時の親は、独特の怒りをもっています。

本当に許せない・・・なんでちゃんとしてくれないの・・・話を聞いてよ・・・

言葉の端々に溢れてくる、ものすごい怒りのパワーです。

シマハチ
シマハチ

みなさんはこのような怒りを、子どもの学校の先生に対してもったことはありますか?

例えば、話を聞いてくれない人って、同じようにみなさんの周りにもいますよね?

職場の人や友達、家族など。

そんな話を聞いてくれない人と出会った時、教師に対するのと同じような沸々とした怒りは湧いてきますか?

もう、いい加減にしてよ~。

と思うことはあっても、あの独特の怒りの気持ち、許せない気持ち、悲しい気持ちにまでなることって、あまりありませんよね。

そもそも、話を聞かないだけで毎回人にそんな気持ちをもっていては、こちらの精神がもちません。

なんとなく受け流したり、あきれたり、距離を取ったりしながら上手く社会生活を送っているんですよね。

では、なぜ子どもの学校の先生に対してはこのような気持ちになるのでしょう?

今日は、教師に対して湧いてくる怒りの気持ちについてお話していきたいと思います。

親にとって子どもが通う学校とは?

親サバイバーにとって、子どもが通う学校とはどのような場所なのでしょうか?

たぶん多くの親にとって子どもの学校は、「よく分からない場所」なのだと思います。

何が行われ、何を先生が言い、子どもがどんな表情をして、どんな気持ちで過ごしているのか、

家や職場にいる親には、何も分かりません。

だから、子どもの学校の様子について知りたいと思う親サバイバーは、

数少ない情報源である、

お手紙の内容、参観日で見聞きしたこと、子どもや他の保護者から聞く話,

などから情報を集めるしかありません。

これらの断片をつなぎ合わせて、

今、子どもが通う学校で何が行われているか、そこに関わる教師はどんな人か、子どもはどんな気持ちで学校で過ごしているのか

を、推察していきます。

しかし、これらをつなぎ合わせても、まだまだ情報は少なく理解するのに十分ではありません。

だから親サバイバーはそれらを「子どもの頃学校で過ごした記憶」で補います。

「子どもの頃学校で過ごした記憶」とは?

「子どもの頃学校で過ごした記憶」とは、どのようなものなのでしょう?

多くの人は義務教育期間だけでも、小・中学校合わせて9年間、

高校まで入れると計12年間、学校で過ごします。

しかし、その12年の間、何事もなく充実した楽しい学校生活を送れた人は、

何割ぐらいいるのでしょうか?

自分に対し理解ある教師ばかりと出会い、良好な友達関係を築き、自尊感情を膨らませ、自己実現を図れるような学校生活・・・

このような12年間送ることができた人は、とても少ないのかもしれません。

みなさんも、少しだけ「子どもの頃の学校で過ごした記憶」に自分を置いてみてください。

楽しく心躍る記憶ばかりでしょうか?

勉強や体育ができずに、みんなの前で恥ずかしい思いをした記憶

好きでもない友達と、表面上の付き合いをしなくてはならなかった記憶

友達から無視されたつらい期間の記憶

いじめと遭遇して恐ろしい思いをした記憶

12年もの間学校で過ごした記憶の中には、辛く思い出したくないものもある人が多いと思います。

特に、教師との記憶はどうでしょう?

昔の教師は、今の教師とはだいぶ違います。

少しのことで、叩かれた記憶

悪いことしていないのに、怒鳴られた記憶

いじめられても、助けてもらえなかった記憶

それらを親に言って、さらに怒られた記憶、

そして、それら大人の理不尽さに怒りや悲しみを感じながらも、

じっと我慢し続けた記憶

これらの中には、辛くて記憶や感情に蓋をしてしまっているものもたくさんあります。

そんな学校生活を、子ども時代にがんばって生き抜いてきたあなたが、

今、親としてここにいます。

「子どもの頃学校で過ごした記憶」の中でも特に、

「教師との記憶」は、怒り・悲しみなどの負の感情を伴ってあなたの中に眠っていることが多いのです。

そして、この「子どもの頃学校で過ごした記憶」が教師に対する独特の怒りにつながっていることが多いのです。

まとめ

まとめ

他の人には湧かないのに、子どもの学校の教師に対しては湧いてくる独特の怒りがある。

それには親の「子どもの頃学校で過ごした記憶」が関係している。

次回は、「子どもの頃学校で過ごした記憶」が子どもの学校の教師への怒りに繋がる、

メカニズムについてもう少し詳しくお話していきたいと思います。

この記事がみなさんのお役に立てたらうれしいです。

シマハチ
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学校での悩みを抱えている方は、ぜひまたここに来て、一緒に解決していきましょう!

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ABOUT ME
シマハチ
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公認心理師教師
学校で働いて、約20年。 教師の傍ら心理学を勉強し、カウンセラーの資格を2つ取得。 その後、国家試験を受け、心理系唯一の国家資格である、公認心理師となる。 現在もバリバリ現役教師として働き中。カウンセラーとしても活躍中。
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