子どもが発達障害では?と思った時どうしたらいい?【親がするべきこと4選】
自分の子どもはちゃんと育っているのかなあ。
子育ての間、親には常に不安がつきまとうものですね。
文部科学省は、通常学級に在籍する小中学生の8.8%に行動や学習の発達障害の可能性があるという調査結果を発表しました。
8.8%ということは、約11人に1人の割合で発達障害の可能性がある子どもがいるということです。
つまり11人に1人の親が、
「うちの子、他の子と何か違う・・・。」
「他の子が簡単にできることが、いつまでたってもできない・・・。」
などと感じることがあるかもしれないということなのです。
公認心理師教師のシマハチが、子どもが発達障害では?と思った時に親がするべきこと4選をお話します。
親が子どもの発達障害に気付く時
上にお兄ちゃんやお姉ちゃんなどがいる場合、上の子を育てた経験からその発達の違いには気付きやすいかもしれません。
しかし、1人目の子どもであったり、上の子がいたとしても性別が違ったりした場合、それが定型発達なのかそれとも性別などが原因で違うのかが分からないことが多いです。
「なんか他の子と違うんじゃないかな」という漠然とした不安を抱えて幼稚園や保育園に通わせながら、日々を過ごしていくことになります。
幼稚園や保育園の時はまだ漠然としていた他の子との発達の違いですが、小学校に入学してから顕著になってくる場合が多いです。
それは子どもにとって、1日5時間席について勉強をするという今までになかったハードルが突然に現れるからです。
小学校になかなか馴染めずに苦労することを、小1プロブレムと呼びます。
定型発達の子どもであってもよく起こる小1プロブレムですが、発達障害を抱える子どもにとっては、さらに大きな壁となります。
しかし、多くの親がはっきりと定型発達の子との違いを感じるのは、小学3年生ごろだと言われています。
それは、低学年の頃はまだ幼かった周りの子ども達が、一気に成長をはじめ、その違いが目に見えて分かってくるからです。
ずっと抱えてきた子どもの発達についての不安が、いよいよ明確になります。
では、子どもが発達障害かな?と思った時、親は何をすればよいのでしょうか?
1.自分が感じていた不安を整理しよう
まず大切なのは、何がどのように他の子と違うと感じ、何を不安に感じているのかを整理していくことです。
過去にさかのぼって違うと不安に感じたことやエピソードを思い出してみましょう。
時系列に書いてまとめると、漠然とした不安も冷静に見ることができます。
検診の時に言われた言葉など記録があればそれも一緒に書いておきましょう。
そうして書いてみることで、今まで何に不安を感じていたのかがはっきりとしてきます。
2.子どもの行動を改めて観察してみよう
自分が不安に感じている部分を中心に、子どもの行動を改めて見ていきます。
どんな行動なのか。(怒る、泣く、逃げる、たたく、無気力など)
どんな時にその行動をする(しない)のか。
パニック状態になっているか。
どうするとその行動は治まるのか。
記録を書くという目的を持つことで、子どもの行動を少し客観的に見ることができるようになります。
これらのことは、なるべくパートナーと共有しておきたいことです。
しかしパートナーによっては理解がなく、協力的でない場合も考えられます。
一人で抱え込まないためにも、共有したいという意思はしっかりと伝えておくことが大切です。
3.専門機関に相談しよう
漠然としていた不安の形が見えてきたら、専門1.2.で整理したおいたことを相談することで、専門家に対してより子どもの様子が伝わりやすくなります。機関に相談するようにしましょう。
病院を受診する場合は、
小児科、精神科、児童精神科、小児神経科、発達外来
などがよいと思われますが、初めての相談でいきなり病院は気持ち的にもハードルが高いものです。
そんな時、まずは自治体の窓口に相談するとよいでしょう。
自治体には子育て支援センター、保健センター、発達障害者支援センターなどたくさんの相談窓口があります。
専門的な視点で相談に乗ってくれたり、発達検査をしてくれたりと親にとって心強い支援が受けられます。
1.2.で整理したおいたことを相談することで、専門家に対してより子どもの様子が伝わりやすくなり、その子に合ったアドバイスを受けることもできます。
これらの相談もなるべくパートナーと一緒に行きたいところです。
子育て、特に発達に関する悩みは母親が一人で抱えてしまっている場合が本当に多いです。
自分の産み方や育て方でこうなったのではないかという、間違った負い目を感じてしまっている母親も少なくありません。
最初に相談に行くときから、なるべくパートナーと一緒に行動することで、子どもの発達に関することは二人で考え行動することが当たり前になるような土台をつくりましょう。
4.学校にも相談しよう
就学している子どもの場合、そもそも学校からの電話や連絡により子どもの発達について気付くきっかけになることも多いです。
そんな学校の先生にもしっかりと相談し味方についてもらっておくと、子どもの学校生活の支えになります。
家での様子や専門機関の見解を伝え、学校で様子を聞かせてもらいましょう。
家では穏やかに過ごせていても、時間や行動の制約があり、たくさんの人がいる学校では適応できないという子どももたくさんいます。
子どもが何に困っていて、どうしていくことで学校で適応できるのかを、先生に一緒に考えてもらいましょう。
他の人への相談は?
他に相談したい相手がいる場合(親や友達)、その人に相談をしても構いません。
仲間や味方は多ければ多いほど心強いものです。
しかし、相談する人によっては、偏った知識や偏見、などがあることを、念頭に入れておかなければいけません。
しつけが悪いから
甘やかしているんじゃないの?
そのうち良くなる
うちの子もそうだったから大丈夫
相談することにより、余計に傷ついたり、自分を責めたり、どうしてよいのか分からなくなったりする場合が多いのも事実です。
まとめ
発達障害は、「ここからここまでが発達障害で後は大丈夫です。」などの明確な線引きがありません。
定型発達→グレーゾーン→発達障害(診断)のように、程度によって診断がついたりつかなかったりするものであり、
診断がつかなかったからといって、子どもが抱える苦手感や不安が消えてなくなるものではありません。
ですから診断によってだけ支援策を考えるのではなく、
その子が、
・どうすれば生きやすくなるのか
・どうすれば幸せになれるのか
・どうすれば楽しく生活できるのか
という、子ども個人の視点で考えていくことが大切です。
それと同じくらいに大切なのは、親が一人で抱え込まないことです。
残念なことにまだ世の中は、発達障害に対する理解が深まっているとは言えません。
人によって理解が得られなかったり、偏見をもっていたり、偏った知識で理解していたりすることも多くあります。
そのことにより親が傷つき苦しい思いをしてしまい、それが子どもにも影響を及ぼしてしまうこともたくさんあるのです。
しかし、どこかに理解をしてくれ、力になってくれる人がいるというのもまた事実です。
相談機関を通じて、同じ発達障害の子どもをもつ親のグループなどを紹介してもらうのもいいでしょう。
発達障害だと気付かれないまま大人になっていく人もたくさんいる中で、
発達障害かな?と気付いてあげられるのも親の愛情の証です。
子どもをよく見て、気づかい、愛情をかけているからこそ、子どもの発達障害に気付くことができるのです。
悩みを抱えている方は、ぜひまたここに来て、一緒に解決していきましょう!