義務教育って本当に平等!?現役教師から見た、よい公立学校の見分け方
こんにちは!公認心理師教師のシマハチです。
みなさん義務教育という言葉、よく知っていますよね。
第4条 (義務教育) 国民は、その保護する子女に、九年の普通教育を受けさせる義務を負う。
国又は地方公共団体の設置する学校における義務教育については、授業料は、これを徴収しない。
引用:教育基本法
義務教育ってどんなイメージですか?
・無料。
・親の義務。
・平等にみんな受けることができる。
そんなイメージがありますね。
でも義務教育って本当に、どの子にも平等なんでしょうか?
今日は、義務教育は平等なのか!?についてのお話をしたいと思います。
義務教育は平等ではない!?
長く教育界に関わっていますが、
義務教育と言っても、平等でないなあ。
と感じる場面がたくさんあります。それはなぜか?
それは、学校により教育環境に差があるからです。
それではなぜ教育環境に差が生まれるでしょう?
その原因の一つは、自治体による予算の違いです。
公立小中学校の場合、教師を任用するのは都道府県(政令指定都市)となります。
つまり、教師のお給料はその都道府県から出るという訳です。
では、学校を建てているのは誰なのでしょう?
実は学校の設置者は都道府県ではなく、市区町村なんです。
〇〇市立や〇〇区立などという言葉がそれです。
学校を建てているのは、その学校のある市区町村なのですね。
当然ですが、全国の市区町村を比べてみると、財政が豊かなところから厳しいところまで様々です。
少し前、港区公立中学校の修学旅行の行き先が海外になったと話題になりました。
保護者の負担額は、行き先が国内の時と変わらないそうです。
シマハチの市区町村では、まず考えられないことです・・・。
このように、お金のある自治体とお金のない自治体では、教育に掛けられる予算も変わってきます。
これは修学旅行の話でしたが、それだけではなく、
学校自体の建物、教室環境、IT環境、教材・教具の充実度、子ども一人当たりの人員数など、
予算が違うと様々なところで、子どもの教育環境に大きな差が出てくるのです。
さらに、同じような予算の自治体であっても、平等あるとは限りません。
それは自治体によって方針が全然違うからです。
教育をどのくらい重視しているのかによって、教育予算に割く割合も大きく変わってきます。
その自治体が何を大切にし、どんな教育をしたいと考えているのかが、学校には大きく関わってくるのです。
さらに細かくいうと、同じ自治体であったとしても、平等という訳ではありません。
学校によって、落ち着いた校風のところもあれば、毎年のように荒れている校風のところもあります。
つまり、予算が潤沢な自治体の落ち着いた校風の学校と、予算が少ない自治体の荒れた校風の学校では、
同じ義務教育であったとしても、受けられる教育のクオリティが全然違ってくるということです。
シマハチの家選び
保育園や幼稚園であれば、「自分の子どもに合わないな。」と思ったら、入園させなければよいだけの話なのですが、
公立の小中学校ではこうはいきません。
ほとんどの場合、住民票がある校区の学校に、自動的に入学が決まってしまいます。
入学後合わないと感じたとしても、住民票を移動させない限り学校を変えるのはとても難しいです。
シマハチは身をもってこのことの大切さを感じていたので、住む場所の校区選びは相当こだわりました。
立地、値段なども家選びのとても大切な項目ですが、
シマハチは「子どもが12年間幸せに学校に通える場所」を一番の条件にしたんです。
荒れた学校に通う子どもは、本当に辛いです。
現場を知っている分、ここは譲れない条件でした。
そのおかげか、運が良かったのか、シマハチの子ども達は本当に楽しく学校に通うことができました。
学校から帰ってきても、またすぐ学校に行って友達と遊ぶというくらい、「学校大好き!」な子どもになりました。
本当にありがたい話です。
どうやって学校を見分ければいいの?
「子どもが12年間幸せに学校に通える場所がいい。」というのは、どの親ももつ願いだと思います。
では、そんな学校をどうやって見分ければよいのでしょう?
実際に中に入ってみないと分からない部分もたくさんあるのですが、シマハチなりの見分け方をお教えします!
まずは、よい自治体の見分け方です。
その自治体がどのくらいお金をもっているかは、ホームページなどで調べればすぐに分かります。
大切なのは、ここからです。
その自治体の教育予算を調べてみましょう。
お金がある割に、あまり教育にお金をかけていない自治体もあるので要注意です。
全予算の中で教育に掛ける予算が何パーセントになるのか、色々な自治体を比較してみて下さい。
次にその自治体の施策で、どのくらい教育を大切にしているのかを読んでいきましょう。
シマハチの経験上、人権を大切にすることを大きく掲げている自治体は、子どもを大切にする傾向にあると思います。
次に落ち着いた学校の見分け方です。
住む自治体が決まっても、どの学校が落ち着いていて、どの学校が荒れているなんて、よく分からないですよね。
外から見てもよく分からない学校ですが、外からでも見分けることができるポイントがあります。
それは運動場や登下校中の子どもの姿です。
落ち着いている学校の子どもはどんな姿なのか見てみましょう。
体育の時間
・きちんと整列できている。
・まとまりのある動きをしている。
・「集合」などの教師の呼びかけにきちんと反応している。
・笑顔である。
・活動中「ワーワー!」という声は聞こえても「ギャーギャー!」という声は聞こえない。
休み時間
・笑顔である。
・「ワーワー!」「キャーキャー!」という声はあるが、「ギャーギャー!」という声やが少ない。
・怒号が無い。
登下校
・交通安全を守っている。
・走って帰る子が少ない。
・交通事故が少ない。
・楽しそうである。
・「ギャーギャー!」と騒いでいない。
いつ見てもこれらが当てはまらない学校は、荒れている可能性が考えられます。
義務教育って本当に平等!? まとめ
残念ながら義務教育はどこで受けても平等であるとは限りません。
ですので、子どもを落ち着いた学校に通わせたいと思ったら、その学校がどんな学校かを見分ける必要があります。
外からは見えにくい学校ですが、先ほどの見分けポイントを参考にすれば、荒れた学校に通わせることを回避することも可能になります。
どんな学校に通うのか、そこでどんな日々を過ごすのかは子どもの生活のクオリティーを左右する大きなことです。
入ってみないと分からないこともたくさんありますが、
引っ越しなどで子どもが通う校区を決める際には、ぜひ一つの判断材料にしてみてくださいね。
この記事が「親サバイバー」のお役に立てたらうれしいです。
学校での悩みを抱えている方は、ぜひまたここに来て、一緒に解決していきましょう!