「マスト(べき思考)」を変える方法とは?その3
エクササイズ3 別の「マスト」をどんどん論破しよう
こんにちは!公認心理師教師のシマハチです。
前回は、「マスト」を変える方法 エクササイズ2「マスト」を論破しよう
というお話しをしました。
自分の中の「マスト」見つけたら、それを論理的に科学的に論破する。
自分の中にある「マスト」を論破することで、怒りやパニックにつながる思考から柔軟で現実的な思考へと変化させることできる。
不安になった時や怒りを感じた時に自分の中の「マスト」を探すことができるようになると、自分の中にはたくさんの「マスト」があることに気付いてくると思います。
「マスト」の思考を変えるためには、練習が必要でしたね。
今回も「マスト」を論破する練習をしていきましょう!
自分の中の「マスト」を論破することは、主に自分自身でやっていきます。
グループワークや、論破を手伝ってくれる人が周りにいる場合は、その人に論破役をしてもらっても構いません。
前回はシマハチが、親サバイバーの「マスト」を論破する役をしました。
今回も例として、シマハチが親サバイバーの中にある別の「マスト」を論破していこうと思います。
では、エクササイズ3別の「マスト」をどんどん論破しよう
を、一緒にやってみましょう!
まずは、別の「マスト」を見つけよう
まずは、最近自分が不安になったり心配になったりした、前回とは別の場面を思い出してみて下さい。
家庭でしょうか?学校でしょうか?職場でしょうか?
この仕事を上手くできるのかな。
その時の不安な気分を十分に味わって下さい。
次にその場面の中にある、あなたの本当の「願い」は何かを考えましょう。
私は仕事を立派にやりたい。
「願い」だけを考えた時の気分も、一緒に味わいましょう。
次に自分の中にある、不安や心配の原因となる「マスト」は何かを考えてみましょう。
私は仕事を立派にやりたい。だから失敗なく上手くできなければいけない。
思考が「願い+マスト」になった時どんな感情が現れてきましたか?
そして、その後にはどんな思考が現れてくるでしょう?
私は仕事を立派にやりたい。だから失敗なく上手くできなければいけない。でも失敗するなんて、私はダメな人間だ。
「願い」だけの時は現れることのなかった感情や思考が、「マスト」の後には現れましたね。
この思考が、怒りやパニックとなって、あなたの日常をさらに苦しいものにしていきます。
別の「マスト」をどんどん論破しよう
自分の中には色々な「マスト」が存在しています。
今回は、前回と違う別の「マスト」を見つけることができましたので、その論破に挑戦してみましょう。
私は仕事を立派にやりたい。だから失敗なく上手くできなければいけない。でも失敗するなんて、私はダメな人間だ。
仕事で失敗してはいけないのはなぜですか?
失敗したら、上司や同僚にあきれられるからです。
あなたは人からあきれられるほど、失敗を繰り返しているんでしょうか?
いいえ、そうではありません。でも一回でも失敗するとあきれられそうで怖いです。
一回も失敗せずに仕事をしている人なんて、いるんでしょうか?
いいえ、たぶんそんな人はいないと思います。誰でも失敗ぐらいはしたことがあると思います。
誰でも失敗ぐらいしたことがあるのに、あなただけしてはいけないのはなぜですか?
私が失敗すると人に見捨てられそうだから・・・してはいけないと思っています。
失敗は誰でもすることなのに、あなたが失敗したとき時だけ上司や同僚が見捨てるんですか?それは本当のことでしょうか?何か根拠はありますか?
根拠はありません。ただそう思っただけです。
根拠がないのに、なぜそう思ってしまったのでしょう?
小さかったころ、私が失敗をすると、いつも親にため息をつかれてあきれられていたからだと思います。
あなたが失敗した時に、親がそのようなことをしていたんですね。でも、親がそうしていたからと言って、上司や同僚が同じようにしてあきれて見捨てるということは、言えるのでしょうか?
それは・・・言えないと思います。あきれるかもしれないし、あきれないかもしれません。
上司や同僚にあきれられたとして、そうなったらあなたの人生は終わりなのでしょうか?
いいえ、残念な気持ちにはなりますが・・・終わりではありません。失敗してもやり直すことも可能だと思います。
失敗したらダメ人間というのはどうでしょう?ほとんどの人は失敗したことがあるんですよね。そうすると、ほとんどの人がダメ人間ということになりますが。
ほとんどの人がダメ人間ということは、ないと思います。
ところで、あなたには尊敬する人はいますか?
はい。上司のAさんは本当に仕事もできて、部下にも優しく尊敬しています。
そのAさんは、今までの人生で失敗を一度もしたことがないと思いますか?
いいえ。若いころの失敗の話などを私達に聞かせてくれたこともあります。
では、失敗したAさんはダメ人間なのでしょうか?
いいえ!Aさんはダメ人間などではありません。失敗したことがあっても素晴らしい人だと思います。
では、「仕事を失敗なく上手くできなければいけない。でも失敗するなんて、私はダメな人間だ。」というあなたの「マスト」についてどう考えますか?
間違っていると思います。人は失敗するものだし、それから成長することもできます!
いかかでしょう?
別の「マスト」であっても論理的に、科学的に論破することにより、変えることができましたね。
エクササイズ2・3を通して、出てきたのは、生育過程(特に親などの養育者)による「マスト」の形成です。
子どもの頃に親や周りの大人にどんなことを言われて育ったかが、現在の「マスト」に大きく繋がっていました。
それほど、親というのは子どもに大きな影響を与える存在であり、私達大人もまた、親の影響を受けて育ってきたということです。
でも、親の影響により形成された「マスト」もエクササイズを続けることにより、変えることができます。
エクササイズ3「マスト」をどんどん論破しよう まとめ
「マスト」の形成には、子どもの頃に大人から言われたことが大きく関わっていることを理解しましょう。
自分の中の「マスト」は色々あることを理解し、それを見つけてどんどん論破しましょう。
「マスト」は、エクササイズを続けることにより、変化させることができます。
この記事が「全サバイバー」お役に立てたらうれしいです。
学校での悩みを抱えている方は、ぜひまたここに来て、一緒に解決していきましょう!