【イライラ軽減】子どもが宿題をしない時の解決法を4つのタイプ別に紹介
こんにちは!公認心理師教師のシマハチです。
みなさんのお子さんは、学校の宿題をがんばってやっていますか?
テレビばかり見てなかなか取り掛からずに、イライラします。
やり始めても全然進まないから、時間がめちゃくちゃ掛かるんです。
学校の宿題を子どもにさせるのって、結構大変ですよね。
ダラダラとしていたり、全然進まなかったりするのを見るとイライラしてしまいますね。
どうせしないといけないんだから、さっさと済ませてしまえばいいのに・・・。
なぜ、宿題をなかなかてきない子どもがいるのでしょう?
今回は子どもが宿題をしない理由をタイプ別に解説して、その解決方法とイライラしないための方法をご紹介します。
この記事は、子どもが宿題をなかなかせずに困っている人に向けた記事となっています。
ぜひ最後まで見て、イライラを減らしましょう!
なぜ宿題をしないのか理由を探ろう
一言で「宿題をしない」と言っても、その理由は子どもにより様々です。
まずはその理由を探ることから始めましょう。
宿題をしない理由は大きく以下の5つのタイプに分けられます。
- 分からないタイプ
- 他にやりたいことがあるタイプ
- 面倒くさいタイプ
- 気が散るタイプ
- 反発反抗タイプ
それぞれのタイプについて詳しく説明しましょう。
①分からないタイプ
このタイプの子どもは、宿題で出されている内容が理解できておらず、単純に分からないために宿題ができません。
宿題をしないといけないと思っていても、分からないのでできなくて困っています。
特に多いのが算数の宿題です。
算数は過去の記事でも紹介しましたが、一回つまづくとそこから先どんどん分からなくなってしまう可能性のある教科です。
ほっておくと「③の面倒くさいタイプ」になり、あきらめて無気力な様子になってしまう可能性があります。
宿題を広げてはいるけれど、なぜか全然鉛筆が動かない子どもは、
この「①分からないタイプ」である可能性があります。
②他にやりたいことがあるタイプ
このタイプの子どもは、「①分からないタイプ」の子と違い、宿題をする力はあるけれど、他のことがしたくて宿題に手が付きません。
テレビが見たい、ゲームがしたい、サッカーがしたい、遊びに行きたい・・・などなど。
他にしたいことがたくさんあり、宿題を後回しにしてしまいます。
だから、やりたいことをやったあと、
気が付くともう寝る時間!宿題をする時間が無い!
などという失敗を毎日のように繰り返してしまいます。
③面倒くさいタイプ
このタイプの子どもは①と②のハイブリット型であることが多いです。
宿題が分からない →
だから、やりたくない →
だからテレビを観たい。
という過程をたどります。
しかし、親に見せるのは、「宿題するの面倒くさい・・・。」
という姿や言葉です。
この言葉や姿だけ見ると、無気力な子どものようですが、実は宿題が分からずに困っている可能性が大きいです。
④気が散るタイプ
宿題を始めたと思ったらおもちゃで遊び、また始めたと思ったら外を眺め、また始めたと思ったらテレビを観ている・・・。
このタイプの子どもは、宿題を始めてからの時間は随分と経っているのに、実際はほんの少ししか進みません。
でも本人は長い時間宿題に拘束されている気持ちになっているので、
「宿題ばっかりで全然遊べない。」などの不満をたくさんもっています。
⑤反発反抗タイプ
宿題しなさい!
と親が言えば、
分かってるって!
今しようと思ってた!
もう、うるさい!
と言って反発、反抗をする。
でも、結局していない・・・。
そしてまた大ゲンカ・・・。
親子でこんなことの繰り返しが毎日のように行われます。
このタイプの子どもは、親の言葉にとても敏感です。
言葉ひとつに揚げ足をとるかのように食って掛かってくることもしばしばです。
ですので、親がイライラする場面は宿題だけでなく、日常のたくさんの場面で見られます。
タイプ別の解決方法と、イライラ軽減方法をご紹介
子どもが宿題をしない理由が違えば、解決方法も違います。
それぞれの子どものタイプに合った、宿題ができるようになるための解決方法と、親のイライラ軽減方法をご紹介します。
①分からないタイプが宿題が、できるようになる方法
このタイプの子は「さぼりたい。」とか「遊びたい。」とか思っている訳ではなく、宿題が分からずに困っています。
ですから、宿題の内容が分かり、それがができるようになるためには、少し手助けが必要です。
まずは、何が分からずに困っているのかを聞いてあげましょう。
大切なのは気軽に「分からないから教えて。」と言えるような親子関係をつくること。
子どもが宿題が分からないこと対して親が怒ってしまうと、子どもは口を閉ざし「教えて。」と言えなくなってしまいます。
するとまた、「ぼーっと宿題とにらめっこ」の状態に逆戻りです。
「分からない。」と言っても、怒られずに教えてもらえたら、子どもはどんどん分からないことを聞けるようになってきます。
すると、無駄にノートとにらめっこする時間が無くなり、分からないなりにも以前に比べ効率的に宿題が終わらせることができるようになります。
算数などで大きなつまづきが見られる場合、宿題の内容だけを理解することは難しいです。
時間がある休日などでよいので、以前の記事でもご紹介したように、今勉強しているところの一つ前に戻って復習することで、今の内容も理解できるようになります。
①タイプのイライラ軽減方法
「子どもが宿題をしないのはさぼっているからだ。」と捉えていると、宿題の前でぼーっとしている子どもを見てはイライラしてしまいます。
大切なのは捉えなおしです。
宿題の前でぼーっとしている子どもの姿を「さぼっている子」から「困っている子」に捉えなおしてみましょう。
すると同じ子どもを見た時でも、「イライラする!」という気持ちから「大丈夫かな?」と心配する気持ちに変わってきます。
すると「困っている自分の子どもを助けてあげたい。」といいう前向きな気持ちが、自然と生まれてくるのです。
②他にやりたいことがあるタイプが、宿題ができるようになる方法
このタイプが自分で宿題ができるようになるために有効な方法は、
自分にスケジュールを決めさせる
です。
これは、子どもの自立心を育てる方法です。
ゲーム、遊び、テレビ・・・やりたいことが色々あっても
宿題をしなければならないという事実は変わりません。
そして、学校から帰ってから寝るまで、
時間に限りがあるという事実も変わりません。
そのことをまだ理解できず、やりたいことから順にやってしまうため、宿題の時間がいつも無くなってしまします。
そこで、いつ何をするのかのスケジュールを自分で考え、決めさせます。
スケジュールを組むにあたり、子どもが守らないといけないきまりは、なるべくシンプルにした方がよいです。
例えば、
- 寝る時間は守ること。
- その時間までに宿題とご飯とお風呂は終わらせておくこと。
このくらいシンプルでOKです。
その他のスケジュールは子どもに任せましょう。
この「子どもに任せる」という部分が重要です。
自分でスケジュールを決めさせたのなら、いつテレビを観ていても、文句を言わないようにしないといけません。
中途半端にあーだ、こーだと指示をしてしまうと、子どもの自立心とやる気が育たず、結局自分で宿題をすることもできなくなります。
②タイプのイライラ軽減方法
せっかくスケジュールを立てさせたのに、そのきまりを守っていなかったら、
当然ですがイライラしてしまいます。
例えば、「寝る時間までに宿題が終わっていない」など、子どもがきまりを守れなかった時は、
A これからはスケジュールは親が決めて「あーだ、こーだ。」と指示をされる。
B 決められたきまりは、必ず守る。スケジュールは自分で決める。
このどちらかを子どもに選択させましょう。
自由には責任が付きものです。
「スケジュールを自分で決めたいのなら、それを責任をもって管理しなくてはいけないのだ。」
ということを教えましょう。
また、
「任せるというのは、あなたへの信頼から成り立っているのだ。」
ということも教えてあげましょう。
つまり、
「あなたを信頼しているから、任せているんだよ。」
という、メッセージです。
③面倒くさいタイプが、宿題ができるようになる方法
このタイプは①分からないタイプと②他にやりたいことがあるタイプの、ハイブリット型であると理解しましょう。
つまり、「面倒くさい」の裏側にあるのは、「分からない。」であるということです。
ですので、解決方法も①と②を順にしていくとよいでしょう。
つまり、まず子どもの「分からない。」を解決し、
その後に「自分でスケジュールを決める。」を実行させるのです。
③タイプのイライラ軽減方法
「面倒くさい。」をそのまま受け取るととても腹が立ちます。
ですので、この言葉の裏にある本当の意味を見ていくようにしましょう。
つまり、子どもの「分からない。」のシグナルであると受け取るのです。
『面倒くさがりな子』という見方から『分からなくて困っている子』という見方に変えるだけで、同じように宿題が進まない時でも、そのイライラは大きく軽減されます。
④気が散るタイプが、宿題ができるようになる方法
このタイプはADHD傾向の子どもにもよく見られます。
もともと集中しづらい特性を持っていると考えられますので、集中できる空間をつくってあげるのが大事です。
この時、親が一方的につくるのではなく、
どうすれば心が落ち着くか。
どんな音や光が邪魔なのか。
など、子どもと一緒に話し合いながらつくっていくようにしましょう。
宿題をする場所は、なるべく物がないシンプルな環境が好ましいです。
もしリビングで宿題をする場合は、テレビなどの音や光は消すようにしましょう。
その空間だけパーテーションなどで区切ると、キッチンなど気になるものが視界に入らなくなりますので、目から入る刺激の軽減に繋がります。
音の刺激に敏感な子どもには、イヤーマフがおすすめです。
これをつけるだけで、音のない世界で集中することができるようになります。
④タイプのイライラ軽減方法
私達の身の回りは、音や光などの情報刺激であふれています。
そして、私達自身もそのような刺激の中にいることで、知らない間にストレスにさらされています。
ですので、子どもだけでなく自分も一緒に落ち着けるシンプルで静かな空間をつくるようにしてみましょう。
刺激の少ない空間をつくることで、子どもの心も自分の心も落ち着き、イライラも軽減します。
⑤反発反抗タイプが、宿題ができるようになる方法
このタイプは、日頃の親子関係に少し問題を抱えている可能性があります。
宿題をしないという行動の目的が、
「したくないから。」ではなく、
「親に反発したいから。」になってしまっているのです。
このタイプの子どもの親の傾向で、
~しなさい。
~って言ったでしょ。
いつまで~してるの。
など、上から頭ごなしに言葉を言ってしまっている場合が多く見られます。
売り言葉に買い言葉、このように言われた子どもは
「親には自分の気持ちを分かってもらっていない・・・。」と感じ、
親が言うこと、することに反発反抗してしまうのです。
でも子どもの本当の心は、
「お母さんに、私の気持ちを分かって欲しい。」
という願いです。
毎日の親子げんかで疲れ、イライラしている人は、
子どもに対しこのような接し方になってしまっていないかを、一回立ち止まって考えてみましょう。
もし、上から頭ごなしに言葉を言ってしまっていると気付くことができたら、
それが解決への大きな一歩となります。
頭ごなしの言い方を極力減らし、子どもの言葉を共感的に聞く練習をしましょう。
「やりたくない!」と言われても、「そうなんだね。」と一旦それを共感的に受け止めます。
これを繰り返すことで、子どもの中にある、
「親に反発したい反抗したい!」という気持ちは徐々に収まってきます。
子どもの気持ちが落ち着き、冷静に話し合えるようになったら、これからどうしていきたいのかを自分で決めさせましょう。
イライラ軽減方法
このタイプの親は大きなイライラを抱えています。
イライラして子どもに言いすぎてしまうのであれば、
一時的にでも「何も言わない」という選択肢と取りましょう。
見るとイライラするのであれば、まったく見なくてもよいのです。
そうすることで、意識的に子どもと少し距離を取りましょう。
イライラをぶつけ合う悪循環にならないように、まずは自分の心に目を向け、心の平穏を保つことに専念することが大切です。
まとめ
宿題は小学校に入学してから高校を卒業するまで、ずっとついて回るものです。
子どもが宿題をしたがらないのには、ちゃんと訳があります。
その原因を探ってあげ、原因に合った解決法を親が提示してあげることで、多くの子どもが宿題ができるようになります。
子どもが宿題をしなくてイライラしてしまう人は、ぜひ参考にして実践してみて下さいね。
この記事が、みなさんのお役に立てたらうれしいです!