「マスト(べき思考)」を変える方法とは?

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エクササイズ1「マスト」を見つけよう

こんにちは!公認心理師教師のシマハチです。

前回は、子どもに怒りが湧いてくる原因についてお話ししました。

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なぜ子どもに怒りが湧いてしまうの?
なぜ子どもに怒りが湧いてしまうの?
前回の振り返り

・私たちの感情や思考は、生育環境で獲得した「マスト」(べき思考)の影響を受けている。
・子どもに怒りが湧いてしまう原因は、自分の中の「マスト」にある。
・「マスト」は、人それぞれ違う。

「マスト」に縛られていない思考であれば、自分にとって都合が悪いことが起こっても、

残念だなあ。

という感情で終わります。

しかし思考が「マスト」で縛られていると、

・こんなことは起こるべきじゃないのに、最悪だ。

・こんなことが私にばかり起こるなんて許せない。

・こんなことに巻き込まれるなんて私は不幸な人間だ。

・こんなことを引き起こす相手がすべて悪い。周りからいなくなってしまえばいいのに。

など、たくさんの怒り、苦しみ、またパニックのような感情に襲われ心が囚われてしまいます。

この状態のまま子どもに接すると、

自分の怒りや苦しみ、パニックを子どもにそのままぶつけることになります。

では、この「マスト」の思考は変えることができないのでしょうか?

シマハチ
シマハチ

いいえ、「マスト」は練習することで変えることができます!

練習?

シマハチ
シマハチ

そうです。「マスト」は変えることができる思考です。でもそのためには思考を変えるエクササイズが必要です。

これは論理療法という考え方です。

今回は、エクササイズ1「マスト」を見つけよう

を、一緒にやってみましょう!

最近不安になった場面は?

まず最近自分に起こった、不安になったり心配になったりした場面を思い出してみて下さい。

・この仕事を上手くできるのかな。

・家族はこの料理をおいしいと思ってくれてるのかな。

・保護者会で自分は浮いているんじゃないか。

・子どもの成績が上がるのかな。

日常で起こる不安な場面を思い出し、その時の気分を十分に味わいましょう。

そこにあるあなたの「願い」は何?

次にその場面の中にある、あなたの本当の「願い」は何かを考えましょう。

・私は仕事を立派にやりたい。

・私はよい母でいたい。

・私は、保護者と良い関係をつくりたい。

・自分の子どもはよい学校に進学して、困らない人生を歩んで欲しい。

「願い」だけを、考えた時の気分はどうでしょうか。

前回も書きましたが、「願い」は自由です。

「願い」だけを思っている時は、不安や心配が襲ってくることはありません。

あなたの中の「マスト」は?

では「マスト」がある場合はどうでしょう。

自分の中にある、不安や心配の原因となる「マスト」は何かを考えてみましょう。

「マスト」は、「願い」とは違う、~しなければならないという思考です。

・私は仕事を立派にやりたい。だから失敗なく上手くできなければいけない。

・私はよい母でいたい。だから家族には美味しい料理をつくらないといけない。

・私は、保護者とよい関係をつくりたい。だからは自分だけが浮くなんてことがあってはいけない。

・自分の子どもはよい学校に進学して、困らない人生を歩んで欲しい。だから子どもにはよい成績を取らせなければいけない。

いかがでしょう?

不安・・・心配・・・焦り・・・

思考が「願い+マスト」になった途端に、「願い」だけの時には現れなかった感情が現れてきせんか?

その後の思考は?

その後にはさらに、次のような思考が現れてきます。

・私は仕事を立派にやりたい。だから失敗なく上手くできなければいけない。それなのに失敗するなんて、私はダメな人間だ。

・私はよい母でいたい。だから家族には美味しい料理をつくらないといけない。それもできない私は母親として失格だ。

・私は、保護者とよい関係をつくりたい。だからは自分だけが浮くなんてことがあってはいけない。それなのに自分と考えが合わない保護者ばかりで許せないし、最悪。

・自分の子どもはよい学校に進学して、困らない人生を歩んで欲しい。だから子どもにはよい成績を取らせなければいけない。それが上手くいかない私は、みんなからばかにされたり、低く見られたりしているんだ。

いかがでしょう?

「願い」だけの時は現れることのなかった感情や思考が、「マスト」の後には現れます。

これが怒りの原因となる思考です。

エクササイズ1「マスト」を見つけよう まとめ

怒りが爆発したり、パニックに陥ったりしないためには

・不安になった時の自分の中の、「マスト」は何かを見つける練習をすること。

・自分が「願い+マスト」となっているということを理解すること。

・それにより、自分は怒りが湧いているんだと理解すること。

自分が不安になった時、その原因となる「マスト」を見つけることができるようになると、

「ああ、自分の中にはこんな縛りがあるんだ。」

と考え少し冷静になることができ、不安に深く陥ってしまうことが少なくなります。

すると、あっという間に怒りの感情が爆発したり、パニックに陥ったりすることを防ぐことができます。

次回は「マスト」を見つけた後にどうしたらいいのか、エクササイズ2をお話ししたいと思います。

この記事が「全学校サバイバー」のお役に立てたらうれしいです。

シマハチ
シマハチ

学校での悩みを抱えている方は、ぜひまたここに来て、一緒に解決していきましょう!

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シマハチ
シマハチ
公認心理師教師
学校で働いて、約20年。 教師の傍ら心理学を勉強し、カウンセラーの資格を2つ取得。 その後、国家試験を受け、心理系唯一の国家資格である、公認心理師となる。 現在もバリバリ現役教師として働き中。カウンセラーとしても活躍中。
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