子どもが「学校に行きたくない。」と言った時に大切なこと。
こんにちは!公認心理師教師のシマハチです。
もうすぐ夏休みが終わりますね。
早い地域では「もう学校が始まったよ!」なんていう声も聞かれそうです。
みなさんは夏休みどのように過ごされましたか?
シマハチは毎度のことながら、
先生電池を完全OFFにして、かなりのんびりだらり~。
と過ごしました。
ちなみに、先生に夏休みというのはありません。
ただ、普段取れない年休をまとめて消化しているだけだって知ってました?
それでも、誰にも気兼ねなく休める期間があるというのは、とてもありがたいことですね。
親サバイバーの皆さんはどんな夏休みだったでしょうか?
親は子どもが夏休みの方が忙しいなんていうこともよく聞く話ですね。
子どものご飯づくり、宿題の進み具合のチェック、いつもの倍の掃除、洗濯、帰省や旅行・・・
皆さん本当に、お疲れさまでした!
そんな忙しかった夏休みからもとうとう解放!子ども達はやっと学校に行き始めます。
でもそんな時によく表れる問題があるんですよね。
子どもの「学校に行きたくない・・・。」問題。
学校初日からの場合もありますが、一週間ほど経ってから突然やって来る場合もけっこう多いです。
大人だって長期休み明けは仕事に行きたくないもんです。
でも、この時期の子どもの「学校に行きたくない・・・。」は、少し注意が必要です。
最初の対応を間違えてしまうと、そのまま不登校に繋がってしまう場合も多いからです。
では、子どもが「学校に行きたくない・・・。」と言ってきたら、親はどのように声を掛け、何をしたらよいのでしょうか?
親の間違った対応とは?
完全に不登校になってしまった子どもを持つ親の中で、学校との関係も上手くいっていないタイプの親には共通点が見られます。
特に不登校傾向が見られた時の、子どもへの初期対応はとても似ています。
それは「受け止めないこと」「否定すること」「攻撃すること」です。
例をもとに見てみましょう。
夏休み明け一週間後、
お母さん、なんか今日学校行きたくない・・・。
何で?
なんか、体がきついし頭が痛い。
熱も無いのに大げさなこと言わないの。夏休みだらだらしてたからでしょ。
でも本当にきついから、今日は休みたい。
お母さんだってきつくても仕事行ってるよ。子どもの頃からそんなんでどうするの?
頭痛い・・。
昨日はゲームしてたじゃない!遅くまでゲームしてるからでしょ。
学校休む・・・。
いい加減にしなさい!
いかがでしょうか?
この例を見てどんな感想を持ちましたか?
「こんなこと絶対に子どもに言わない!」
と思いましたか?
それとも
「こんな風に言うことってあるんじゃない?しょうがないんじゃない?」
と思いましたか?
なぜ間違った対応をしてしまうの?
シマハチは、後者の親サバイバーの方もたくさんいるのではないかと思っています。
親にとって、子どもが「学校に行きたくない・・・。」と言うのは、
ある意味「一大事」です。
そして色々なことが頭をよぎります。
「わがままな子に育っているんじゃないか。」
「仕事は休めないのに。」
「学校でいじめられているんじゃないか。」
「このままさぼり癖がついてしまうんじゃないか。」
「この子はなぜ私を困らせることを言うのか?」
「この子がこんなことを言い出すなんて考えてもなかった。」
そして、色々なことが頭をよぎった親の心は、ある意味「パニック」のような状態になります。
つまり、「受け止めないこと」「否定すること」「攻撃すること」は、
「一大事」で「パニック」のような状態になった親が、よくしてしまう対応でもあるということなのです。
なぜ親は「一大事」に、「受け止めないこと」「否定すること」「攻撃すること」を子どもにしてしまうのでしょうか?
それは、「一大事」を受け止めずに攻撃することで、そのこと自体を「無かったもの」もしくは、「大した事ないもの」であると自分に思い込ませようとする心理にあります。
では、子どもにとって「学校に行きたくない・・・。」と思うようなことは「一大事」ではないのでしょうか?
もちろん「一大事」です。
しかも、突然起こったことではなく、長い間蓄積されているものである場合も多いです。
さらに、その理由も一つではありません。
「学校で嫌なことがあった。」などという単純な理由だけでなく、色々なことが複雑に起因しています。
そんな時に一番助けてもらいたい親から、「一大事」を「無かったもの」もしくは「大した事ないもの」だとされたらどうでしょう?
子どもと親の心の距離は遠くなり、子どもの問題はより深く複雑になっていきます。
子どもの「一大事」に親がこのような対応を取り続けることで、子どもはより学校に行けなくなってしまうのです。
どんな対応を取ればいいの?
では、子どもが「学校に行きたくない・・・。」と言った時、親はどのような対応を取ればよいのでしょう?
それは、「受け止めること」「肯定すること」「守ること」です。
つまり、「受け止めないこと」「否定すること」「攻撃すること」の逆のことをするのです。
先ほどの例を使って、「受け止めること」「肯定すること」「守ること」を実践してみましょう。
夏休み明け一週間後、
お母さん、なんか今日学校行きたくない・・・。
どうしたの?
なんか、体がきついし頭が痛い。
そうか、きついんだね。熱は無いみたいだけど、どうしたの?
なんか学校に行くことを考えたら、頭が痛くなる。
そうか、それは辛いね。何かあったの?
友達が夏休みの間別の子と遊んでたみたいで、仲間に入れるのか心配。
そうか、仲間に入れるのか心配だったんだね。それで頭が痛くなったんだね。辛かったね。
うん。
そんなに辛かったのに、昨日は学校に行ったの?
うん。
それは、がんばったんだね。
うん。
あなたは、これからどうしたいの?お母さんは、あなたがどんなことをしても味方になるよ。
うん。
ここでの親の対応は、子どもの辛い気持ちをまず受け止めています。
その際、子どもの言葉を繰り返していたのに気づきましたか?
子どもの言葉を繰り返しながら、受容することで、子どもは「受け止めてもらっている。」と感じることができます。
次に子どもをそのまま肯定しています。
さらにどんなあなたでも、どんな時でも私は味方なんだということを子どもに伝えています。
子どもが「学校に行きたくない・・・。」と言った時大切なこと、まとめ。
「受け止めること」「肯定すること」「守ること」
この3つを繰り返すことで、不安やストレスなどで充電が切れかかっていた子どもの心は徐々に回復していきます。
「学校に行きたくない・・・。」と子どもが言った時、親は色々なことが頭をよぎります。
そんな「一大事」でも慌てず、怖がらず、恐れずにこの3つを繰り返して下さい。
事は必ず良い方向へ回り始めます。
この記事が、「親サバイバー」の悩み解決のお役に立てたらうれしいです。
学校での悩みを抱えている方は、ぜひまたここに来て、一緒に解決していきましょう!