なぜ親にカウンセリングが必要なのか

不登校など子育てに悩んだ時、子どもにカウンセリングを受けさせたいと思う方は少なくありません。
実際に、学校でスクールカウンセラーと子どもとの面談を希望される方もたくさんいらっしゃいます。
しかし、本当にカウンセリングが必要なのは子どもだけなのでしょうか。
子どもは周りの大人や環境に影響される
私は長年学校現場に勤め、たくさんの課題を抱える親子と出会ってきましたが、子どもだけがカウンセリングを受けることにはあまり意味がないと感じています。
なぜなら、子どもは周りの大人や環境に大きく影響されてしまうからです。
つまり、その子がカウンセリングで少し元気になったとしても、環境が同じであればまた元通りになってしまう。
それどころか、カウンセリングの時間と現実とのギャップにより苦しんでしまうということが起きてしまうのです。
親もまた傷ついている
親の場合はどうでしょう。
親は子どもが問題行動を起こすと、「私のせいかもしれない」「もっと頑張らなきゃ」と、自分を責めてしまいます。
しかしそれは、「親の育て方が悪い。だからしっかりと育てないといけない」などという単純な問題ではありません。
子どもが問題行動を起こしたり、親子関係がうまくいかなかったりする背景には、あなた自身がどのように育てられてきたか、どんな気持ちを抱えて生きてきたかといった“過去の経験”が深く関係しているからです。
自分でも気づかないうちに、子どもの言動に過剰に反応してしまったり、逆に感情が動かなくなってしまったり…。
それは、かつてあなたが心の奥にしまい込んだ“未消化の感情”が、今の子育てに影響を与えているからです。
つまり、親も傷ついた心をもっている場合が多く、傷ついた心のまま子育てをしようとしても、どこかで行き詰まってしまうのは当然のことだということです。
親こそカウンセリングを受けるべき存在
だからこそ大切なのは、まず「自分自身の心」に目を向けてみることです。
ここに目を向けず、子どもを変えようとばかりもがいても、子どもとの関係はさらに崩れ、心が離れて行ってしまいます。
過去を整理し、あなたが抱えている不安や怒り、悲しみを丁寧に見つめることで、少しずつ心の余裕が生まれます。
そして、その変化はゆっくりと、でも確実に、子どもとの関係にも影響を与えていきます。
カウンセリングは、そんな「自分の心と向き合う時間」をもつための場所です。
無理に答えを出す必要はありません。
ただ、自分の感じていることを言葉にし、それを受けとめてもらうことで、あなた自身が少しずつ癒されていきます。
子どもを想うように、自分自身の心にも優しく寄り添ってみる…
安心して話せる場所「こころルーム」から、あなたの心をととのえる時間をはじめましょう。
